照度計算は、概ね次の手順で設計していきます。
1.条件を確認(設定)する。
1)部屋の用途を確認する。
2)照度を設定する。
3)器具を選定する。→光束、保守率、照明率などがきまる。
4)部屋の壁、床、天井の反射率を設定(確認)する。
5)部屋の面積と天井高さを設定(確認)する。
2.平均照度計算式
E=FNUM/A[lx]
E:平均照度[lx]
U:照明率[%]
F:光束[lm]
N:器具台数[台]
M:保守率[%]
A:面積[m2]
3.用語
上の計算式でわからない言葉が出てきたかと思います。ひとつは、保守率です。
保守率は、時間経過に伴う照明低下の補正係数です。照明器具は、器具の汚れにより照度が 落ちます。また、ランプもはじめは元気ですが徐々に光束が落ち、照度がさがります。一般 的には、70%前後であることが多いです。これは、器具ごとに決まり形状によって異なりま す。カバーをしている器具葉、汚れやすいので保守率はさがる傾向にあります。ですので、 保守率は、選定した照明器具よってかわりますので、メーカーのカタログから数値を探して きます。
次に照明率ですね。照明率は、保守率のようにカタログから単純に見つかりません。照明率は、「室指数」と天井、壁、床の反射率からメーカーの技術資料から選定します。
ここで、また新しい言葉「室指数」ですが、次の計算式を使用します。
K(室指数)=XY/H(X+Y)
X:部屋の開口[m] Y:部屋の奥行き[m] H:部屋の高さ[m]
室指数は、大きいほうが照明率もあがります。室指数は、部屋の形状が正方形に近いほうが数値があがります。細長い形状の部屋ですと床や天井面積に対して、壁面積が多くなり効果的に床面明るさを与えられないためと思われます。室指数は、大きいほうが照明率もあがります。
次に、反射率ですが、反射率は、部屋の色合いにより異なります。色が白いほうが反射率は高くなります。主な反射率としては、
・白しっくい 60~80[%]
・白壁 60[%]
・コンクリート(生地) 25[%]
などです。より正確に計算する場合は、建築の意匠図から部屋の仕上げを読み取ったうえで計算すればよいのですが、実際は壁の仕様まで明確なるのは、最後の最後で建築電気設備の設計肯定にあいません。また、壁紙などの色合いも現場で変わることもありますので反射率については、明確にして計算する必要性は薄いです。実際の設計では、
・執務エリア 天井70% 壁50% 床10%
・倉庫 天井50 壁30% 床10%
などと、部屋用途に合わせて、決めてしまい計算することが多いです。